現段階で医師3人の意見は、保存療法の選択で一致
ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが右肘靭帯の部分断裂で全治6週間の診断の下った田中将大投手について、トミー・ジョン手術を受ける可能性を示唆した。地元紙「ニューヨーク・デイリーニュース」が「マサヒロ タナカは右肘靭帯損傷で6週間のリハビリ予定だが、トミー・ジョン手術の可能性も依然残されている」と見出しで報じている。
田中は10日、整形外科医の学会が行われているシアトルでヤンキースのチームドクター、クリス・アーメッド医師、ドジャースのチームドクターのニール・エルアトラッシュ医師、さらにメッツのチームドクターのデビット・アルシェク医師というスポーツ医学の専門家3人の診断を仰いだ。
「医師3人は靭帯部分に小さな傷を確認している。そして、診断とリハビリの方法ですべて合意した。我々はその勧告に従うつもりだ。3人とも現段階での手術は勧めてきていない。もしも、治療はうまくいけば、だいたい6週間で復帰できることを願っている」
キャッシュマンGMは電話インタビューでこう語っている。
3球団の医師の意見は一致している。現段階では保存療法を選択し、PRP皮膚再生療法という自らの血液から抽出した多血小板血漿を注射する方式で治療を進めるという。肘を休ませ、そこから回復状態を見て、練習再開という流れになるが、一方では最悪の事態も想定されている。
現在の痛みが続けば、治療方法も変わってくる
「もしも、彼のリハビリが失敗に終われば、トミー・ジョン手術を勧められる可能性は間違いなく否定できない。もしも、痛みが消えなければ、もしくは現在の痛みが続くようなら、リハビリ方法と医師からの治療方法の提案も変わってくるだろう」
キャッシュマンGMはそう話し、今後の状況次第で苦渋の決断が待ち受けていることを明かしている。肘靭帯の再建手術となれば、今季中の復帰は絶望的。2015年シーズンにも影響をもたらす可能性は高い。
「現時点での最良の治療法がトミー・ジョン手術だとするなら、選手の名前や獲得に費やした資金とは関係なく、我々は手術を選ぶだろう」とも話し、現時点では手術の必要なしという姿勢を崩していないが、すべては田中の腕の痛み次第だ。
今季開幕後の14試合では11勝1敗で防御率は1・99と圧倒的な数字を残していたが、ここ4試合では1勝3敗で防御率4・25と明らかに調子を崩していた。
「個人的にも残念な事態であり、このチームにとっても悲しむべきことだ。彼は大事なピースだった。いかにして彼の抜けた穴を埋めるのか、模索しなければいけない。マサヒロのリハビリと治療で効果が生まれることを期待している。6週間もかからずに復帰できることを期待したい。時間が解決するだろう」
キャッシュマンGMはそう話してエースの回復を祈っていた。
